かつては呉服屋さんが並んでいた室町通りを中心に、京都イノベーションオフィスがある蛸薬師通りも含めたこのあたりで、よく見掛けるものがあります。それは、運送屋さんにその日送る荷物があるか無いかを知らせるための連絡看板です。新潟運輸、山陽タイガーなど一般ではあまり見慣れない運送会社の名前も並んでいます。そう、繊維産業が盛んだった頃には、全国網を持つ宅急便会社等無く、各地方に向かう運送会社は地域ごとに分かれていて、その日その方面に配達がある場合のみ「店に寄って下さい」と合図していたのですね。合図の方法は配達の無い運送会社の札は裏返したり、配達のある運送会社の名前にライトを付けたり、単純にその会社の札のみ表にぶら下げたりと様々です。でも、クロネコヤマトや佐川急便といった全国網の宅急便が発達した今、この方法で何社もの運送会社を使う店はもう少ないのではないでしょうか。そもそも店そのものが無くなって、この案内板共々取り壊され、今はマンションやホテルになっているところも多々あります。
運送屋さんの連絡看板ですが、実は京都イノベーションオフィスがあるビルには残っています。もちろんもう使われることは無いので、今では全部裏返しにして全く別の案内が上に貼られてしまっていますが。
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