1月23日(金)、京都いのべーしょんオフィスに京都の老舗弁護士事務所である弘希総合法律事務所よりおふたりの弁護士の方々をお迎えし、企業家セミナー「弁護士が語る中国・日本の法律実務」を開催致しました。
第1部は当オフィスのアドバイザーでもある三上了資弁護士に、「中国~不愉快な同伴者からお客様へ」と題して中国の現況と法律問題についてお話しいただきました。三上弁護士は中国に留学後、現地の法律事務所にも勤務されたご経験があり、中国に大変詳しい弁護士でいらっしゃいます。しかし、変動の激しい国であるため、数年で知識が陳腐化してしまう恐れもありますが、日本で仕事をされる今でも月に1回は中国に足を運ばれ、最新の中国情勢を研究されています。
日本にいる我々は直接中国の方々と取引することはないかもしれませんが、世界一の消費大国で隣人である中国と全く無関係で暮らすことも難しい時代です。大勢の観光客が中国から来られ、京都の不動産なども積極的に購入されている今、日本に居ても中国の会社との取引が始まるかもしれません。そんな時、中国の法律問題の理解を深めておくことは重要なことだと思います。
具体的には,中国の現代法史,司法制度,契約法,不法行為法、物権法などの各法律、現地の会社法や形態、労働法など広範囲に渡って解説していただきました。
また第2部では弘希法律事務所の共同経営者でもある米田雄一郎弁護士に日本における法律実務について解説していただきました。
創業者の方々にとって、仕事を進めていく上で契約という行為は避けては通れないものです。契約は口頭でも成立しますが、トラブルにぶつかった時、その契約の内容を証明してくれるのが契約書となります。契約書の重要性について改めて気付かされました。
さらに例え裁判で勝訴しても債務者に執行できる財産が無ければ意味が無いため、債券回収のためには「担保」が極めて重要であること、人的担保には単純保証、連帯保証、根抵当があること、物的担保には先取特権、留置権、質権、抵当権、譲渡担保、所有権留保があることなどを、例を挙げながらわかりやすくご説明いただきました。
最後に時効と実質的な債権回収の方法についてお話いただきましたが、事業を行っていく上で欠くことのできない知識だと痛感しました。
トラブルは無いにこしたことはありませんが、不運にもビジネスをしていく上でトラブルに遭遇してしまった場合、一番頼りになるのは弁護士の方々です。昨日の講師のおふたりはそうした時にとても話しやすいおだやかな弁護士の方々で、いざという時にご相談出来ればとても有難いと思いました。弘希総合法律事務所には弁護士の先生方が11人も所属されており、チームで動いていただけるというのも心強い限りです。
イベント・セミナー情報 | 08:46 AM | comments (x) | trackback (x)